◆ ◇ ◆ HISTORY ◆ ◇ ◆
ロシア・アヴァンギャルドは、1917年に起きたロシア革命のさなかに生まれた芸術運動のことである。
レーニンの寛容な文化政策によって政治にグラフィックデザインを取り入れた事が背景になっている。
その理由として、国民の識字率の問題があった。
1900年代初期のロシアでは字を読める国民がまだ少なく、
国の政策を伝えるのにはヴィジュアル的な表現がとても有効だったのだ。
その為、グラフィックにはイラストや写真が多いという特徴がある。
ロシア革命の混乱の中で生まれた芸術が政治と結びつき、多くの芸術家たちはプロパガンダ・アートを作った。
※ プロパガンダ…人々の思想や行動を誘導する宣伝のこと。
1920年代後半、ソビエト政権がプロパガンダを重視するようになり、それまでとは逆に弾圧を受けるようになっていく。
そして、1930年代~1940年代にスターリニズムと社会主義リアリズムのテーゼによってロシア・アヴァンギャルドは
次第に衰退、多くのデザイナーや芸術家が国外へ亡命する中、ソビエトに留まった人たちは自殺、または処刑されてしまった。